jumpattack-thumnail

ジャンプアタック(JUMP ATTACK)の真意とパワーに関しての考察

最初に断っておきますが、自分は医師であり、S&Cのコーチでもなければ理学療法士でもありません。
いわゆる専門家ではないです。

間違った情報がたぶんに含まれていることをご容赦ください。

(その方面の方が見たら「ちがーーーーう!」と言われてしまうかもしれません。)

プラスして、この記事の大前提として、パワーが上がればジャンプ力が上がると考えています。

スポーツ科学ではいろいろな考えがありますが、正直これが一番単純なのでこれで話をすすめます。

ちなみにパワーというのは仕事率のことで、1秒間にどれだけ仕事をしたかを表します。

ややこしくなるので省略しますが、

パワー = 力 ✕ 速度
POWER = FORCE ✕ VELOSITY

という等式が成り立ちます。

つまり、パワー(power)をあげるためには力(force)そして速度(velosity)をあげることが重要です。

スクワットで例えると、というのは挙上重量×加速度のことで、速度というのがスクワットを1回あたりにかかる時間、つまり挙上速度になります。

ジャンプアタックで提唱されるトレーニング

jumpattack

本気でジャンプ力を上げたいと考えている人ならまず購入しているであろう本、ジャンプアタック

著者はティム・S・グローバー氏

Gilbert Arenas, 2009-10 NBA All-Access

(日本語版は初版のまま何も更新されていませんが、英語のJUMP ATTACKは実はアップデートとされています。買ったけどまだ読んでない。。。)

ジャンプアタックでは、こんなトレーニングが紹介されています。

Chapter5 爆発力のトレーニングにて

「ジャンプATTACKがその他のものに比べてユニークであることは、順序正しく回数をこなすことをうまく取り入れる点で、単に回数を行うだけではない」

「大切なのは、いかに多くの重さを上げるかではなく、回数のスピードが重視される。」

「パーフェクトフォームで行い、そして、できる限り敏速に、爆発力を目標にして行う。」

「ほとんどのプログラムは、これを3セット、別のルーティンを3セット、さらに別のを3セットといったやり方をするけれど、私達は、このウエイトを1セット、ジャンピング・エクササイズを1セット、スポーツ・スペシフィックドリル、ストレッチ。ここまでやって、また頭に戻る。1つのことを続けて3セットするのではない。」

「また、私達のトレーニングは回数ではない。1つのエクササイズを決まった時間やるように指示している。それぞれのエクササイズを10回やりなさいというのではなく、それぞれ30秒間、20秒間、あるいは10秒間の間行う。回数は数えるのだけれど、それは一定の時間の間にどれ位の回数をできるかどうかみるためだ。それこそが瞬発力であり、ある一定のスペースの中で、一定期間の間でどれだけ早く動けるかだからだ。」

「こういうワークアウトを取り入れたのは私達が最初だと思う。マイケルも以前は『何回?』と聞いてきて、『30秒』『30回?』『30秒だ。10回ではなく、30秒』というやりとりがあった。」

JUMP ATTACKより引用

※ 引用中のマイケルとは伝説のNBAプレーヤー、マイケル・ジョーダンのこと

MJ

また、トレーニングログのところでも

1.スクワット
(1回につき最大重量の50〜60%で)
30秒

5.パワー・クリーン
(1回につき最大重量の50〜60%で)
15秒

と書かれている。

今までインターネットサイトでこのようなトレーニングプログラムを組んでいるサイトは見たことがない。

しかし、実際にこのトレーニングによって、マイケル・ジョーダンのジャンプ力は、96cmから122cmに伸びたと書かれている。

もともと96cmも跳べていたのに、そこから+26cm伸びたのは驚異的と言わざるを得ない。

仮にこのトレーニングがとても有効だとしたらなぜ広まっていないのだろうか。

どのようなサイトをみてもスクワットをMAX重量の30%程度で8回程度するとパワーの向上に効果的など書かれている。

力-速度曲線

force-velosity
TRAINING SCIENCEより引用

ささべこうき氏のTRAINING SCIENCEでこのような記事がある。

詳しくは参照して欲しいが、力-速度曲線に関してと、それぞれのパワー発揮における有効と思われるトレーニングについてだ。

力-速度曲線を簡単に説明すると、筋肉は発揮する力が大きいほど収縮速度が遅くなり、発揮する力が小さいほど収縮速度が速くなるということです。

スクワットを例に考えるとわかりすいですが、20kgのバーベルはほとんど背負ってないのと同じぐらいの速度でスクワットできるかとおもいます。

なんならそのままバーベルもったままジャンプもできます。

しかし、1RM付近、自分の場合は170kg程度ですが、その重さでのスクワットはとてもゆっくりでジャンプなんてとてもできません。

つまり、力と速度というのは完全に独立したものではなくて、お互いに依存し合った関係と考えられます。

パワーとは

パワーというのは力✕速度で定義されます。

ジャンプ力にパワーが必要なのは言うまでもないですが、力だけ伸ばしても速度が遅くなれば、逆にパワーは下がってしまいジャンプ力が落ちる可能性があります。

実際にはスクワットのMAXがあがれば間違いなくスクワットのスピードもあがると思いますが、速度の方も意識してトレーニングする必要があります。

また、パワーは、力✕速度なので、図の長方形の面積を表します。

force-velosity-p
TRAINING SCIENCEより

つまりこの面積が大きければ大きいほどパワーが向上することになります。

トレーニングを一切しなければこの曲線は一定で、一番パワーが発揮できるのはスクワットでいえば30%1RMの時のようです。

ここをピークパワーと呼びます。

適切なトレーニングするとどうなるのかというと、この曲線が右上の方向に移動します。

曲線が右上に移動すると、図で言えば面積が増えるためパワーが大きくなります。

mensekikakudai
TRAINING SCIENCEより改変

では、このグラフを右方シフトするためにはどうすればいいのでしょうか。

グラフより、を伸ばせば右方シフトしそうです。

具体的にはスクワットの1RMを伸ばす、5RMを伸ばす、クリーン・スナッチの挙上重量を伸ばせばグラフは右方シフトするかと思います。

次に、この曲線を上方シフトするためにはどうすればいいでしょうか。

グラフより、速度を伸ばせば上方シフトしそうです。

速度というのは50%1RMでのスクワットやパワークリーンの速度ということになります。

これは、スクワットやクリーン1回やるのにいったい何秒ないし何ミリ秒でできるかということです。

ここで疑問がでてきます。

「いや、スクワット1回の速度なんか正確に測れないよ。仮に正確にできたとしてもパワークリーンなんて絶対無理でしょ。」

バーベルにセンサーでもつけないと実際にどれ位の速度でバーベルが動いたかなんて1人でトレーニングしていたらわからないです。

いちおうVBT という機械もでてきているのですが、本格的なアスリートでもない限りこれを購入してトレーニングに導入するのは無理かと思います。

vbt
S&Cスポーツ科学計測テクノロジー スポーツパフォーマンス分析
より

話は再びジャンプアタックへ

ここでジャンプアタックに話を戻します。

ティム・グローバー氏は『ジャンプアタック』の中で口をすっぱくしてこう言っていました。

「30回ではなく30秒だ!30秒で正確なフォーム(パーフェクトフォーム)でできるかぎり速くだ!」

これって、つまり速度のことだと思いませんか。

例えば、50kgでスクワットするとして、30秒間に15回しかできなかったことが、1ヶ月のトレーニングで30回できるようになったとしたらどうでしょうか。

1回のスクワットのスピードが明らかに速くなったと考えることができます。

物理のお話

パワーの計算をするとこうなります。 (数式が苦手な人はすぐに上の閉じるボタンを押してください笑)

バーベルの重さをM、重力加速度をg、バーベルの挙上距離をH、ある一定時間にできたスクワットの回数をN、ある一定時間をTとすると

P = MgHN/T

となります。

ここで、重力加速度とバーベルの挙上距離は変更不可能なので変数はMとNとTです。

しかしジャンプアタックにおいてTは一定時間であり、30秒で設定されているので、これも定数と考えると変数はMとNです。

つまり、gとHとTは定数なのでgH/Tは定数であり、αとおけます。

よって、

P(パワー) = α(定数) × M(バーベルの重さ)× N(30秒間にどれだけスクワットできたかの回数)

となります。

M(バーベルの重さ)を大きくし、N(30秒間にどれだけスクワットできたかの回数)を大きくすればP(パワー)は上昇しますが、MとNはお互いに依存しています。

バーベルの重さを重くすればするほど30秒間にできるスクワットの回数は減るだろうし、逆に軽くすれば回数は増やせます。

つまり、M(バーベルの重さ)とN(30秒間にどれだけスクワットできたかの回数)は独立しておらず、依存しています。

実際のトレーニング~当ブログにおける考え~

以下の内容はジャンプアタックに書いてなく、あくまで自分の考えです。

実際のトレーニングはどうすればよいのかというと、

30秒間でできる自重スクワットの回数をまず計測する。

自重以下にはどう頑張っても人間なれないので、これが最大速度となります。

最大速度というのは、30秒間でスクワットができる最大の回数のことです。

そしてバーベルに徐々におもりをつけていき、30秒スクワットでこの最大速度を下回ったところでトレーニングすればよいのではと考えました。

そして、自重でできた最大の回数ができたらバーベルの多さを少しづつ増加させていけばよいでしょう。

具体的な重量は2.5kgが適切だと勝手に思います。

ジャンプアタックにはあまり書いてありませんでしたが、トレーニングはかならず負荷を増やさなければなりません。

漸進性過負荷の原則を適用しないと、いつまでたっても成長しません。

負荷の上げ方はバーの重量を上げたり、回数を増やしたりと色々ありますが、ジャンプアタック的な考えでは30秒間にできるだけ速くなので、負荷を挙げられるところは実際重量のみです。

2.5kg増やしてみて、最大速度を出せるようになったら、また2.5kg増やせばいいのです。

スクワットの速度を測定する。

1回のスクワットのスピードをできるだけ速くと思ってトレーニングしたとしても、なかなかそれを測定することは難しいです。

VBTという最新の機械を使用すれば、可能です。)

しかし、30秒間のうちに何回スクワットできるかと考えてトレーニングすることで平均速度をだすのは容易です。

具体的には、30秒間で、20回スクワットできたとしましょう。

そうすると1回あたりのスクワットの速度は、30秒 ÷ 20回 = 1.5秒/回 となります。

(30秒間のスクワットというのはかなり辛く、精神的・心肺機能的な能力も要求されるため、純粋なスクワット1回の速度を求めるにはやはりVBTが必要でしょう。グローバー氏もメンタルのトレーニングになるとかわけのわからんことを言ってました。)

話は戻りますが、力-速度曲線を上方シフトさせたければ、何秒間に何回といったジャンプアタック式のトレーニングが有効かと思われます。

まとめ

・パワーをあげればジャンプ力があがる(大前提)

・パワーとは力×速度のこと

・スクワットで例えると、「スクワットの重量×立ち上がる加速度」 × 「スクワットの立ち上がる速度」 = 「パワー」

・力-速度曲線:筋肉において力と速度は独立したものではなく、力が増加すれば速度は減少し、速度が増加すれば力は減少する

・スクワットの速度を実際に測定することは難しく、30秒間の平均の速度で考えるとよい

・パワーを上げるためにはスクワットの最大重量を上げることも大切だが、スクワットの挙上速度をあげることも同じぐらい大切。

感想

パワーが上がればジャンプ力が上がると考えこの話をすすめましたが、パワーがあがってもジャンプ力は上がらないかもしれません。

ジャンプ力を上げることについて厳密に考えると本当に難しくて、地面反力だのRDF(力の立ち上がり率)だの力積だのトルクだの専門用語が飛び交うことになります。

どんなトレーニングもそうですが、これだけやればよいといったものはなく、あれもこれもとやる必要があります。

垂直跳びに関して

垂直跳びの高さ = 「ジャンプの上手さ」 ✕ 「SQUAT MAX」 ✕ 「Power Clean MAX」 ✕ 「Dead Lift MAX」 ✕ λ(なにかかしらの係数)

というような単純な式で表すことができれば本当にわかりやすいと思いますが、現実、人間の体というものはそんなに単純ではないのでロボットのような公式を作ることができません。

力-速度曲線からみてパワー発揮の能力をあげるには、全てのトレーニングが有効であり、自分に足りない能力をみつけてグラフを右上にシフトさせればジャンプ力が上がるとおもいます。

最後に一言

パワーのゲシュタルト崩壊




10件のコメント

  1. 「ジャンプアタック」は今、手元には無いのですが、確か「筋力トレーニング」→「プライオメトリクス」→「実際の競技の動き」のような順序で行うものだったと思います。これは、鍛えた筋力を実際の動きに生かし、さらにその動きを実際の競技に生かす、という流れです。トップダウン式というのかボトムアップ式というのか分からないですが、筋力トレーニングを競技に活かすというのを一連の流れで自然に行えるようにしているのだと思います。トレーニング時間が30秒というのも、バスケットボールで連続して動く時間が大体そのくらい、というのも関係しているかと思います。メンタルのトレーニングになるというのは、ゲーム中に相手に運動量で負けない、という感じですかね。
    私も一定の秒数で回数をこなすようなトレーニングはやったことがあるのですが、結構ケガしやすいですね。ジャンプアタックでパーフェクトフォームが重要視されるのもそういう理由もあるかと思います。こういったトレーニングは減速と加速を繰り返すことで発揮される力が目まぐるしく変わるので、RDF?(力の立ち上がり時間)を高めるのに効果的です。

    Vmaxを伸ばすのはかなり難しいとされています。Fmaxはトレーニングで顕著に伸びるのはご承知の通りです。そう考えると、Fmaxを伸ばしてグラフを右方シフトさせれば、全体的なVの値も上がっていくので、そういう狙いのトレーニングが結果が出やすいと思います。
    あと、力は「加速度」(正確には加速度×質量)だと考えてください。そう考えると「速度は、加速度によって得られるものだし、じゃあ力=速度?だったらパワーって何?」とか考えて、さらなるゲシュタルト崩壊が起こります。その訳の分からないところを乗り越えれば、より実践的な理解が深まると思います。ほとんどの解説は定義を曖昧にしているせいで、その「訳が分からない」ところまで行ってないです。

    1. 「jay」さん
      コメントありがとうございます。

      速度は加速度を時間積分したものであり、加速度はニュートンの運動方程式よりストレングスを質量で割ったものになるわけですから、パワーというのは完全にストレングスに依存していることになりますね。
      ということは、パワーという指標はなの役にも立たないですね。
      「パワーを鍛えろ!」ってそれつまり「ストレングスを鍛えろ!」と同義ですから。
      つまり、
      「ジャンプ力を鍛えるにはストレングスも大事だけどRFD(力の立ち上がり率)も重要だから、30秒間で素早いスクワットをしたり、クリックリフトが重要だよ」
      が正しい言い方になるわけですね。
      この記事はなかったことにしたいですが、一生懸命書いたので、次の記事で自分のこの記事を一蹴したいと思います(涙)

  2. お久しぶりです。たかしです。
    僕も昔、パワーについて研究したので備忘録代わりに書いておきます。

    筋繊維は、0か100かでしか働きません。
    つまり意識しても、筋繊維をより速く収縮させることはできません。
    筋繊維をより多く動員させることで、結果的により速く収縮できます。
    筋出力は、筋繊維の太さ×筋繊維動員率で求められます(筋繊維の太さは今回は考慮外)。

    パワーは「扱う重量」×「挙上スピード」で表されます。
    パワーを高めるとは、同じ重量であれば、より速く挙上することである、ということができます。
    つまり、筋繊維100本を動員して問題なく挙上できていたのに、あえて120本を動員させようということです。

    筋繊維動員率は、通常、MAX重量測定の時に最大になります。
    しかし、パワーが最大になるのはMAX重量測定の時ではありません。
    何故か?
    これは、2つの理由によります。
    ①挙上スピードは、通常の挙上に使う筋繊維以外の、余剰の筋繊維の動員によるものであるから
    ②より高率な筋繊維動員率を達成するには時間がかかるから

    まず、①はMAX重量測定の時は、動員できる余剰の筋繊維なんてありません。
    ②は、力の立ち上がりをグラフにすると概ね正規分布の累積分布関数のような形状になっているため(わかりにくくてすいません)、より高率な筋繊維動員率は時間がかかって不利です。
    パワーが最大となるのは、個々人の力の立ち上がり速度の分布と、扱う重量と余剰筋繊維動員量のバランスによります。

    パワーを高めるとはつまり、より早く(速くではなく)、より多く筋繊維を動員させること、と言い換える事ができます。
    僕はこれを、「筋繊維発火の前倒し」と呼んでいます。
    筋繊維発火の量およびタイミングは、神経によって管理されています。

    パワートレーニングは、すなわち神経系トレーニングです。
    普段の筋肥大目的のトレーニングでも「意識」は重要ですが、神経系トレーニングではより重要となります。
    「爆発的挙上をする意識」が筋繊維動員率を高めます(参考サイトが何故かお気に入りから消えていたので探しときます笑)

    ジャンプにおいて力を入れられる時間は、垂直跳びで0.5秒、ランニングジャンプで0.2~0.5秒程度です。
    この限られた時間内で、筋出力を最大化させることが、ジャンプ力アップのためのストレングストレーニングの究極目標であると僕は位置づけています。

    ここから導かれるのは、パワークリーンは文句なしに素晴らしいトレーニングだということです笑
    また、スピードスクワットも素晴らしいトレーニングですが、力の立ち上がり速度を考慮すると、ただ速く挙上することを目的とするのではなく、加えて、力の「出だし」にフォーカスするのが良いのではないのでしょうか?
    といったところです。

    何かの参考になれば。
    失礼しました。

    1. 「たかし」さん
      コメントありがとうございます。

      たしかに、生理学で習ったことを思い出せば、筋繊維は収縮するかしないかの2択であり、よりはやく収縮するといった因子は存在しませんでした。
      筋肉をより速く収縮させるためには、いつも以上の筋繊維を導入する必要があるというのも納得です。

      この、いつも以上に筋繊維を導入する方法として、クイックリフトやスピードスクワットがおそらく有効なのでしょうが、今のところ確証を得るような論文をみることはできません。
      ジャンプ力を上げるために、様々なトレーニングが有効なのは理解してますが、それらを全部やるには流石に時間も体力もありません。

      これをやれば一番効率よくジャンプ力を伸ばせるんだ!ということが知りたいですが、未来の運動生理学ないしスポーツ科学者たちに期待するよりほかありません。
      もっともっとジャンプに関する研究が盛んになって欲しいと思う今日このごろです。

  3. ちょっと誤解を招くような書き方だったかもしれないですが、「パワー」という言葉に何の意味もないわけではないです。簡単に言うと、「ある速度の時に、どのくらいの力が出せるか」という指標だという事です。速度は力を加えた結果として得られるものなので、逆の「ある力の時にどのくらいの速度が出せるか」というのは成り立ちにくいです(あやふやな言い方ですいません。これも言い切れないのです)。

    強い力を出すと加速され、速い速度が出ます。その速い速度の中でさらに強い力が出せれば、どんどん加速され、最終的に非常に大きな速度になります。つまり「物や体が速く動いているときに強い力を出せる」ことがパワーであり、パワーが高いと大きな速度が出せるという事です。ちなみにジャンプ高は離地時の速度で決まります。また、「速く動く」と一言で言っても、その速さはスポーツ動作によってさまざまなので、それぞれ必要なトレーニングは変わってくる、という事ですね。
    「力」と「速度」は微分方程式の関係だと言えるのですが、微分方程式はもう高校では習わないのですよね。習っていれば説明もしやすいのですが。

    パワーは、筋束、関節トルク、床反力など様々なレベルで考えられ、とても簡単にはすべてを説明できないのですが、大雑把には上記のような感じです。よろしければ、高校時代の参考書など引っ張り出して、物理を勉強し直してみると面白いと思います。私の体感になるのですが、ネット上の専門家の先生なども含めて、高校レベルの物理学をちゃんと使いこなせている人はいません。本当にゼロパーセントです。
    医学の世界では、学校の勉強で基礎的な学力をつけて、さらにそこから解剖学生理学生化学など基礎的な勉強を徹底的に行って、統計学の勉強もして、基礎的な疾患などの勉強も徹底的に行い、そこで初めて「エビデンス」というものを参考にするようになると思います。でもスポーツ理論の世界ではいきなり「エビデンス」なんですよね。それはそもそも実験としておかしいだろ、というものも散見されます。スポーツ科学というものはまだまだ発展途上なのだと思います。

    毎度長々とすみません。「パワー」の個人的な研究はノート一冊分くらいありまして、いくら書いても書ききれないんですよね。

    1. 「jay」さん コメントありがとうございます。

      パワー。非常に難しいです。

      力×速度なのは間違いないですが、それをトレーニング、ジャンプすることに関して適応しようとすると途端に難しくなる気がします。
      スクワット中は力(加速度)も変化し、速度も変化するので余計に頭がこんがらがります。

      自分の書いている文章も間違ってるかもしれないし、見てくれてるヒトには申し訳ない気がします。
      けど、アウトプットすることで頭の中も整理されて勉強になるので続けさせていただきます。

      アウトプットを続けることで、最終的に理解できるようになりますし、一応は正しいことを記事にはしているつもりです。。。

      医学に関してはさすがにヒトの命がかかってるだけあって徹底してますからね。エビデンスに関してはスポーツ科学のものとは質が違います。
      間違ったことを論文にしてしますと、それは患者さんの不利益に繋がってしまいますので。

      その分スポーツ科学はある意味責任がそこまでないのでまだまだこれからといったとこなのでしょうか。
      研究費も全然違うでしょうし。

      自分は医学よりもスポーツ科学の方が興味あるし、スポーツ科学のこれからの発展を期待しています。

      また高校物理ないし力学というものをもう一度復習してみようと思ういいきっかけになりました。

      Jayさんのパワーについての個人的な研究ノート、非常に興味がそそられます。
      どこかで公開しないのですか?もったいないです。

      これからも変なこと言ってたら指摘していただけたら幸いです。

  4. ことジャンプ動作に限っては、「パワー」という言葉の解釈はかなり簡単な部類に入ると思います。
    要は、床に力を加えれば体が上に加速する、という話ですから。前に書いたように、ジャンプ動作では大して速度は出ないので、スクワットなどで最大筋力を高めていくだけでもジャンプ力は増す、という事ですね。ただし、加速度は「力÷質量」なのであくまで体重比での重量という事になります。
    中途半端にスピードとか瞬発力とかパワーとかをもちだして、「筋力を伸ばす」という単純なことを徹底できてないという人が多いと思います。1メートルのジャンプには、平均2Gくらいの加速度が必要なので、最低でも体重の2倍くらいは挙げないと勝負にならないです。力―速度曲線から考えると、ジャンプの時はスクワットの時よりも小さな力しか出せないので、2.5~3倍くらいは挙げたいですね。よく言われるように、ジャンプが力ー速度曲線の最大速度に近い部分を使用していると考えると、ジャンプでは最大筋力に比べてより小さな力しか発揮できないことになりますから、最大筋力はスクワットで体重の5倍以上は挙げないといけないことになります。「ジャンプではスピードが重要だからスクワットはほどほどにしてスピードトレーニングをしよう」、というのは本来矛盾しているのですね。「ジャンプは遅い運動であり、最大筋力に近い出力が得られる」という前提があるから、2.5~3倍のスクワットでも良い、という事です。もちろん、ジャンプ力を伸ばすには筋力トレーニング以外のアプローチもありますが、あくまでスクワットをしてジャンプ力を上げようと思えばそれくらいの重量を目指すべきかと思います。

    インターネット上ではジャンプ力向上に関して、「筋力を伸ばすのを途中で止めさせる罠」があるような気がします。「ボディビルダーはなぜジャンプ力が無いのか」みたいな話もよく書いてありますが、そもそもボディビルダーはかなりジャンプ力がある人が多いです。ジャンプ=瞬発力=スピードみたいなイメージだけで書いているんです。ウェイトリフターがジャンプ力が高いからクリーンをやろう、というのもよく聞きますが、そもそもウェイトリフターがどれほどスクワットが強いか。体重60キロで200キロを軽々挙げるとか聞くと「そりゃ跳べるだろ」と思ってしまいます。クリーンとか関係なく(もちろんクリーンは良い種目だとは思います)。

    あまり正しい事だけを書こうと思わないで良いと思います。間違っていたら直したらいいや、くらいで。そもそも本とかも一般向けのものは間違いだらけですし、まして無料で閲覧できる個人のブログですからね。「ジャンプ力を伸ばそうとしている人がいろいろ試行錯誤している」というだけでも見る人にとっては非常に価値のある情報です。
    スポーツ科学は医学ほど責任が重くないからいい加減なところもあるとは思いますが、逆にトレーナーの人などは正しいことを教える責任があるからかえって間違っていても間違いを認められない、という事はありますね。
    以前ネットで、基本的な物理学の誤りを指摘されて、「ニュートン力学は役に立たない。ニュートン力学を超える本物のバイオメカニクスがある」みたいな反論をしていた専門家の人がいて、愕然としたことがあります。分からないことを分からないと言えないのがトレーナーや専門家の厳しさですかね。

    人の記事に文句ばかりつけていないで自分でブログでも書こうという気は無いことは無いのですが、ちょっと内容が理解されないだろうな、という気がします。物理学のとても簡単な内容を説明するだけでもものすごく苦労することがありますし、ましてノート1冊分の、複雑な内容を説明しようと思うと気が遠くなります。気力が充実しているときに、という感じですかね。

    1. 「jay」さん
      貴重な情報ありがとうございます。

      パワーは簡単な部類なのですね。なんぼ勉強しても腑に落ちないというか納得出来ないと言うか。
      他人に説明できるレベルにまで理解できていません。もう少し勉強します。

      力-速度曲線からみても、ジャンプというのはそんなに速い動作ではないのですね。
      そもそも曲線をシフトさせる簡単な方法がMAXの向上ですから、やはりジャンプ力アップの一番の近道はMAXの向上にあることは納得できます。

      ウエイトリフターがジャンプ力あるのはたしかに半端ないスクワット重量ですしね。
      クリーンやスナッチもトレーニングとしてとてもいいものだと理解してますが、スクワットを競技の中であれほどやりこんでいるスポーツマンはウエイトリフター以外おそらくいないでしょう。NFLの選手とかもジャンプ力すごいですけど、やっぱスクワットも化物ですし。

      小さい頃に監督や指導者から「スクワットは膝に悪いからやるな!」と言われたのがずっと尾を引っ張って、大学に入るまで筋トレをしてきませんでした。昔は今ほど情報も入りにくかったので仕方ないですが、小さい頃からトレーニングしてればダンクなんて今頃余裕でできたんだろうなぁと思います。

      jayさんの気力が充実することを期待します!笑

  5. 初めて投稿させていただきます。36歳地方在住で内科医をしている者です。先生は北海道在住とのことですが、「ダンクを夢見て日々鍛錬する」「ジムを併設した運動療法の出来るクリニック開業」という2つの夢が私とまるで一緒なので驚きとともに嬉しく思いました。
    周囲に理解してくれる人はそう多くありませんが、こんなところに同志がいた!と楽しみに拝見させていただいております。私は先生よりも身長がないのでダンクの夢は遠いですが、暇さえあればウェイトや自重トレーニングやらを行なっています。応援しております、是非夢を叶えてください。先生ならいつか掴めると思います!

    1. 「GD」先生
      コメントありがとうございます。

      じつは私も4月から内科医として働くことになりまして、ますます似たような境遇ですね!
      そして自分と同じような思想を抱いている医者がいることに感銘をうけました。
      探したらもっといるのかもしれません。
      その一人にブログで出会えたことに、ブログやってる意義というものを感じました。

      患者さんに薬だけ出して「運動もやってね」と丸投げするのではなく、運動をできる環境を医院で提供して生活習慣病を治していく、ならないような体作りをしていくというのが自分の夢です。

      ダンクにしても病院経営にしても一筋縄ではいかない夢ですが、夢の実現に向かって一歩ずつ進んでいこうと思います。

      ぜひ北海道にお立ち寄りのさいは連絡ください。
      熱いお話ができそうです笑

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