減量期はクラスターセットがおすすめです!〜RECOMMEND CLUSTER SET on a DIET〜

どくすく(@dr_squater)です。

現在減量中で、トレーニング体重もついに80kgを切ろうとしています。

減量期のトレーニングはかなりきついです。

理由は単純なカロリー不足です。

基本的に減量はタンパク質量は維持し、脂質と炭水化物の量を減らします。(高タンパク低脂質低炭水化物)

そして炭水化物の量を減らすと、トレーニング、特に脚トレが辛くなります。

この辛い減量期のトレーニングをなんとか乗り越えようと考えていた時に調べて出てきたのが『クラスターセット:CLUSTER SET』でした。

筋力を維持するためのセットの組み方

減量期に筋力が向上することはないので筋力維持を目指すのですが、筋力維持をするためには

90%1RM(MAXの重量の90%)を4repsで3setsのトータル12repsを週に1回行えば良い

と言われています。

の維持ではなく、の維持です。つまりスクワットのMAXを落とさないことを指します。)

具体的にどくすくの場合で考えると、減量を始める前はATGスクワットのMAXが170kgだったのでこうなります。

どくすくのATGスクワットの場合
  • 1RM = 170kg
  • 90%1RM ≒ 155kg
  • 155kg/4reps/3sets/TOTAL12reps
  • Volume:1860kg
となります。

筋力維持だけを考えた場合、減量期でなければこれは実行可能です。

多少きついですが、筋力を向上させようと普段やってるトレーニングに比べたら楽なぐらいです。

しかし、減量期は違います。体の中のエネルギーが全然足りていない状態での90%1RM4reps3setsはめちゃくちゃにしんどいです。

しんどいというか、不可能です。

減量期に筋力が低下してしまうことはやむを得ないことですが、なるべくなら落としたくないです。

なんとかこの筋力維持をしたまま減量したいと考えたのが

どくすく式クラスターセット

です。

クラスターセットとは?〜What is CLUSTER SET?〜

クラスターセットと聞いても聞き馴染みがない人が多いと思います。

まず英語のクラスター(cluster)の意味ですが、ぶどうの房や群れ・群・集合を表します。

英英辞典では
a group of things of the same kind that are very close together:互いによく似た同じ種類のもののグループ
と書いてあります。

と英語の説明したのですが、いまいち何故これがクラスターセットと名付けられたのかわかりません(誰か知ってる方がいらっしゃいましたら教えて下さい。)

本題に入ります。クラスターセットとは字面からはわかりませんが、レストポーズ法の親戚にあたります。レストポーズ法をご存じの方は結構多いかと思います。

まずは有名なレストポーズ法から説明します。レストポーズ法は、例えば5RMの重量で5reps行います。5RMの重さなので5repsが限界なのは当たり前です。

RM:Repetition Maximumの略 5RMとは、5回行うことができる限界の重量を表す。

たとえば、MAXは1RMであり、1RM(MAX)が200kgの場合、5RMはだいたい1RMの重さの90%、つまりこの場合は180kgとなります。

5RM=180kgとなります。

ここで、通常であれば5分ぐらい休憩して次のセットへ移るのですが、レストポーズ法の場合は30〜90秒程度休憩し息が整ったら再びレップを開始します。おそらく1〜2レップしか行えないと思いますが、限界までレップを行ったらまた休憩します。これを2〜3度繰り返し疲労困憊まで5RMの重量で追い込む方法です。

この方法は5RMの重量を実質的に7~8reps行うというものですが、いかんせん強度がかなり高いです。心肺機能も相当つらいですし、何より限界ギリギリで行うので怪我のリスクもあります。

減量期にこれは不可能です。

そこで考え出されたのがクラスターセットというわけです。

クラスターセットの一般的なやり方は、5RMの重量で5reps行うと、最初の1rep目は素早くできますが最後の5rep目は1rep目と比べるとスピードが筋疲労のため極端に落ちるかと思います。

パワーとは「力✕速度」のため、パワーを鍛えたい場合は5rep目のパワーが極端に落ちることになりこれではいかんというわけです。

そこで、3rep目ぐらいまではおそらく余裕持って行えて、ここであえて一旦バーベルをラックや床に置いてしまいます。

そして、息を整えてあとの2repsを最大速度で実行します。

時間で割った平均的な仕事を考えると、5RMを連続で5reps行った方がより大きな仕事になりますが、1rep毎に見たパワーはクラスターセットの方が間違いなく大きくなります。(バーベル挙上のスピードが低下しにくいため)

こうした理由から、パワー強化にはクラスターセットの方がよいのでは?という研究があります。

(どこかでその研究みましたが、どこでみたか忘れてしまいました。。。見つかったらリンク貼っておきます。書籍だったかもしれないけど。)

どくすく式クラスターセット〜減量期におけるセットの組み方〜

クラスターセットを見つけた時、これは減量期に応用できそうだと考えました。

とにかく筋力を維持したいので、90%1RM4reps3setsは行いたい。

しかし、エネルギー不足でとてもじゃないが無理。

筋肥大にはボリューム(扱った重量✕トータルレップ)が重要とここ最近言われ始めていますが、筋力維持にもボリュームは必要でしょう。

そして筋力を維持するためにはボリューム(Volume)だけでなく、なにより強度(Intensity)も大切です。

例えばスクワットMAXが200kgの人の維持トレは、180kg4reps3setsでボリュームが2160kgとなります。ボリュームだけ合わせると、バーベルだけの20kgを煩悩の数だけ(108回)挙上すればボリュームは揃います(20✕108 = 2160)。しかしこんなトレーニングを続けても筋力が下がることは明確です。

そこで減量期とはいえ90%1RMという強度は絶対に落としたくありません。

ここでクラスターセットの出番です。90%1RMという重い重量を4reps行うことは減量期においてまず不可能です(90%1RM=5RMであることが多い)。なので経験的に可能な3repsとします。しかし、この3repsも実はきついです。そこで1repごとに息を整え、挙上速度をなるべく下げないように行います。

これがどくすく式クラスターセットです。

筋力維持のトレはトータル12repsですが、4→3repsに勝手に減らしているため同じボリュームだと筋力を維持できないと考えて5sets行います。つまり、どくすく式クラスターセットは、『90%1RM 3reps 5sets TOTAL 15reps』行うことになります。

さらに、1repごとに10秒ないし15秒ぐらいの休息をはさみます。

これにより、強度は保ったままボリュームを減らすことなく減量期においてもなんとか筋力維持のトレーニングを実行することができます。

どくすく式クラスターセットを実践してみて

減量開始前の体重が88kgぐらいだったのですが、現在は78kgぐらいと約10kg落ちました。

減量初期はそこまで厳しいカロリー制限をしませんでしたがみるみるうちにスクワットのMAXが落ちてしまい、減量初期は170kgだったのが150kgとMAXが20kgも落ちてしまいました。

やっていたトレーニングは90%1RM4reps3setsを目標にスクワットしていたのですが、全然無理で1set目の4repsを失敗することもよくありました。たとえ成功しても3setなんてもっての他でだいたい80%1RMと強度を落とさざるをえませんでした。

MAXが150kgになったのがだいたい体重が83kgの時だったのですが、「これではやばい!」と思い始めました。

そこで色々調べた結果、ベストな方法と編み出したのがどくすく式クラスターセットです。(『90%1RM3reps5sets(1rep毎に10〜15秒休んで息を整える)』

体重が83kgになったあたりのでスクワットマックスが150kgでしたので、90%1RMは135kgとなります。これを4reps3sets行えば筋力維持できるのですが、これは不可能なので3reps5sets(1rep毎に息を整える)に変更しました。

実際にやってみてこれは実行可能でした。最後の5set目はきついですが、なんとか達成できるレベルです。

現在78kgと83kgから5kg程度落ちましたが、未だに135kgでセットを組むことができています。

5kg減量しても筋力を維持することができています。

いつものことながらトレーナーをやっているわけではないのでN=1の実験にはなりますが、体感的にも理論的にも減量期の筋力維持のトレーニングに良い方法なのではと考えています。

まとめ

  • 減量期の筋力維持は難しく、不可能なことが多い
  • レストポーズ法の親戚にクラスターセットというセットの組み方がある
  • 筋力維持のセットの組み方は『90%1RM4reps3sets』だが、減量期にこれは不可能
  • 減量期の筋力維持のセットの組み方はどくすく式クラスターセットがおすすめ『90%1RM3reps5sets(1rep毎に息を整える)』

感想

減量初期からこのどくすく式クラスターセットを取り入れていれば・・・。と悔やまれますが、減量っていうのは自分の体に対する実験みたいなものです。

筋力維持をしたいのにできないという悩みから生まれたのがこの方法なわけで、しかもこれが万人に共通かと言えばそんなことは絶対にありえません。

自分にとって一番良い方法を模索するのが減量期の楽しみ方なのかもしれませんね。

まぁ減量期にはMAXが下がるので筋トレのモチベーションは著しく下がりますが。。。

最後に一言

減量期の筋力維持に関する論文が読みたい。

参考にしたサイト

DNS ZONE

札幌パーソナルトレーニングZeal-K Officialサイト

もしもししもしです。

参考にした論文

Does cluster loading enhance lower body power development in preseason preparation of elite rugby union players?

Mechanical, metabolic, and perceptual acute responses to different set configurations in full squat.

Theoretical and Practical Aspects of Different Cluster Set Structures: A Systematic Review.