続・体重とジャンプ力の関係

2019年11月24日

dietJump2

以前に体重とジャンプ力の関係に関して記述したがあれには致命的な欠陥があることが判明しました。

「ダイエット(減量)すればジャンプ力は簡単に上がるお話」

なので、今回あらためて体重とジャンプ力の関係について考えていきたいと思います。

仕事とエネルギーの関係から導く

また物理の話になります。

以下の図を御覧ください。

jumpの模式図

手書きですみませんが、ボールは身体の重心だと思ってください。

そして、初期設定としてジャンプする時の重心にかかる上向きの力である床反力を一定として考えます。

ジャンプする時、しゃがんで飛び上がるまでの重心移動距離:h

ジャンプした時の重心の最高到達点:H

重力加速度:g

体重:m

重心が床から受ける床反力:F

とします。

こうした場合、仕事とエネルギーの関係式から以下のものが導かれます。

「F × h = mg(H - h)」

最高到達点つまり跳躍高であるHについて解くと

「H = ( F/mg - 1 ) × h」

となります。

つまり、跳躍高というのは、床反力に比例し、重心の移動距離に比例し、体重に反比例することがわかります。

自分の場合、体重が95[kg]でジャンプする時の重心移動距離が70[cm]であり、かつ垂直跳びの最高記録が70[cm]なので、得られた床反力は1862[N]になります。

これは自体重の2倍の床反力(1862[N] ÷ 9.8[m/s2] = 190[kg] = 95[kg] × 2)になります。

体重が変化しても得られる床反力が変わらないと仮定したときこのようなグラフになります。

またグラフから、体重と跳躍高の関係を表にすると以下のようになります。

つまり、自分が垂直跳び100cm跳ぶためには、78kgになる必要があります。

あくまでも床反力が一定とした場合

この計算はあくまでも体重が変わってもジャンプした時に床から得られる床反力[N]が一定であるとした場合の話です。

以前にもお話しましたが、体重が減れば筋力が落ちるために発揮できるキック力、すなわち床反力が減少すると思われます。

もし痩せても自分のキック力がまったく変わらないのであれば現在95kgなので18kg痩せることができれば垂直跳び100cmとなります。

もう一度跳躍高と体重の関係式をみてみる

仕事とエネルギーの関係から

「H = ( F/mg - 1 ) × h」

このような式が導かれました。

① 床反力が増加すればするほど、つまり自身のキック力が上がれば上がるほど跳躍高は大きくなる

② 体重が増加すればするほど、跳躍高は小さくなる

③ 重心移動距離が大きいほど、跳躍高は大きくなる

といえます。

②はまぁそりゃそうだろと体感的にわかります。

③はジャンプの仕方や身長によって変わってきます。より重心移動距離を伸ばしたければ限界までしゃがめばいいわけですが、実際しゃがめばしゃがむほど得られる床反力は小さくなりそうです。(ジャンプしづらい)

①の床反力は何を意味するのか

今、自分のジャンプするときの重心移動距離は約70cmであり、垂直跳びも約70cmぐらいです。

このとき床から得られた床反力は1862[N]となり、体重のちょうど2倍になります。

そして、現在のATGスクワットMAXが、175kgであり、体重の約1.84倍にあたります。

ジャンプする際にはATGの深さまでケツを落とすことはなく、実際にはパラレルぐらいになります。測定したことはありませんが、パラレルスクワットであれば180kgは上げられそうなので、体重の約1.9倍になります。

得られた床反力とパラレルスクワットの挙上重量が非常に近い値を示しています。

何が言いたいかと言うと、ジャンプ力とスクワットには非常に近い相関関係がありそうだということです。

垂直跳びを跳ぶ上でスクワットの挙上重量が変化してもまったくジャンプの方法が変わらなかったとすれば、スクワットの挙上重量があがればあがるほどジャンプ力は伸びそうです。

スクワットと床反力は相関する?

実際にはこの床反力というものは、パラレルスクワットと相関しているのかまったくわかりません。

クリーンと相関しているかもしれないし、デッドリフトと相関しているかもしれないし、ヒップスラストと相関しているかもしれません。もしくは色々なものを総合的に評価したものと相関するかもしれません。

また、重心の移動距離に関しても腕を振り上げることで動きます。

ジャンプする際には、足関節と膝関節と股関節を伸展させるため、下半身のほぼ全てといっていい筋肉が関節を回転させることでジャンプしているわけです。

ジャンプ動作というものはものすごく複雑で、単純化して考えると現実との乖離が激しくなってしまいます。

今回のお話は体重が変化しても得られる床反力が一定と考えたことによる結果でした。

現実的には体重が変化すれば得られる床反力は変わります。

あくまでジャンプ好きな素人によるお遊びだとおもって聞き流していただけたら幸いです。

まとめ

・跳躍高は体重に反比例する(体重が変化しても得られる床反力が一定であるという条件のもと)

・ジャンプ動作はものすごく複雑な動きで素人が簡単に扱っていいものではない

・素人のお遊びとして聞き流すべき(身も蓋もない)

感想

物理的な話を現実世界に持ち込むと色々と仮定を挟むため乖離が置きてしまいます。

本当の結果を知りたければやはり実験するしかないのですが、難しいです。

実験できないから物理的なことを考えるわけです。

お金が無限にあれば人を集めて実験することなど容易ですが、そんなお金ないのでこれも難しいです。

ジャンプの大規模な実験がしてみたいです。

最後に一言

お金が無限にほしいっす!